色の話

僕が見ているケチャップは赤い。
僕が見ている空は青い。


君が見ているケチャップも赤い。
君が見ている空も青い。


しかし、僕が見ているケチャップと、君が見ているケチャップが、
同じように見えているとは限らない。


僕らは、ケチャップと空が違う色に見えていて、
それらの色を区別するために、「赤」や「青」という名前を与えている。
ケチャップの色を「赤」と、空の色を「青」と呼んでいる。


ある日突然、世界の色の見え方が変わったとしても、
ひょっとしたら、隣に居る誰かと同じように見えているだけかも知れない。
そして、その場合、たとえ今まで見ていた「赤」と違う色に見えていても、
やっぱりケチャップの色を「赤」と呼び、空の色を「青」と呼ぶべきじゃないか?


ただし、ケチャップの色と消防車の色が違って見えた場合は、話が別。