2005-01-01から1年間の記事一覧

忘れられた話

何もかも忘れてしまった。 誰かが私のことを口汚く罵っていた気がする。 けれど、それも忘れてしまった。 覚えているべきことも覚えていられない。 生き方を忘れてしまった。 どうやって生きてきたのかもわからない。 どうやって生きていけばいいんだろう。 …

酔っ払いの話

本当に、酔ってしまえば楽なのだろうけど 酔い切れないから苦しいんだろうね。

花の話

麗しの赤い花、 今日はどちらを向いていますか?

やり直しの話

すっかり全部失くしてしまって、何も無かった事にして、 もう一度はじめからやり直してみたい、とも思う。 けれど、そうしたら 僕の手元には結局何も残らない気がする。 だから、今あるものを変えていくしかないんだろう。 奇妙に歪んだ僕の姿も。 夢も。 想…

知らない話

普段見慣れているはずの顔を、落ち着いてよく見てみると だんだん知らない人のように思えてくる。 普段見慣れているはずの部屋を、じっくりと見回してみると 部屋の隅に知らない人がいる。 知らない人が僕に笑いかける。 ひやり。

醜さの話

人間は醜い、と言う時の「醜さ」は、 偉大なる何者か(神)と比べて導き出された言葉ではないだろうか。 私は、人間は醜くなり得る、としか思わないのだけれど。

夜の話

気が付いたらもう真夜中。 もう少しがんばれば朝日も拝めそうな気がする。 でも決して眠れないわけじゃなく、 寝るタイミングを外したみたいな、そんな感じ。 今更寝るのもなんだかなあ、って 思ってみてもやっぱり眠い。

「つもり」の話

いったい、正しいのは誰なのだろう? 気にする事はないと思っていても、 レッテルを貼られるのは、やはり辛いものだろう。 それに耐えられるほどの強さを手にする必要があるという事か。 それとも、その言葉は耐えるべきものではなく、 むしろ聞き入れるべき…

満月の話

満月の前後は体が重い。 気持ちも重い。 動きたくない。

夢の話

スイミングスクールでの仕事の途中... まあ仕事といっても、泳ぎ方を教えるのではなくて ビートバンを運んだり、部屋の温度を調節したりといったような、 言わば雑用係みたいなものなんだけど。 どうやらレッスンが終わったみたいだ。 水道のそばに掛けられ…

右足の話

さっきから右足が「痛イ痛イ」と五月蠅い。 ちょっと切られたくらいで...軟弱なヤツ。 お前がそんなだから、他のヤツまで弱くなるんだ。 ホント使えない... 役に立たないし、目障りだし、 ズボンも靴下も靴も栄養も水分も勿体ない。 だから捨てられるんだよ…

思考の話

色々な事を考えすぎて、 何を考えていたのかわからなくなる。 そうして最後には、 何も考えずに生きているのではないかと、 自分を疑い始める。 考えに悪魔宿りき。

うす暗がりの部屋の隅

泣いている、泣いている うす暗がりの部屋の隅 ずっと 誰かが泣いている 声を掛けても返事は無く、 時折 涙の落ちる音 泣いている、泣いている うす暗がりの部屋の隅 知らない誰かが泣いている 床に敷かれたじゅうたんが 端からじわりと 濡れてくる

夜空の話

胃が、軋む。 最後に空を見たのはいつだっただろう。 そんなに前じゃないと思うけど... 其のとき空は、青かったか、白かったか。 そういや僕が空を見るときはたいてい夜だ。 曇っていたり、星が見えたり、月が見えたり。 冬は特に夜空を見上げる。 オリオン…

猫の話

彼は窓から外を眺めるのが好きだ。 まるで大人のような顔をして窓の外を眺めている。 かと思うと、突然子供みたいになって、 ガラスの向こうを横切ったスズメを追いかけたりする。 とても優雅で、時々我侭で、其れが魅力的なヤツだ。 だけど、 今こちらを向…

天井の話

立ち上がって、電気を消して、 もう一度座ろうと膝を折ったら 何故か体制を崩して、 転がって、 あれ天井が見える、なんて事を思って 暫くそのまま ぼんやりと天井を見上げて、 何か変だな、と思う。

追記

書き散らしているせいで、日常の出来事と創作とが ごちゃ混ぜになってしまっている。 創作には創作と書こうかなあ。

眼の話

真っ暗な部屋。 何も見えない。 眼を閉じる。 もちろん何も見えない。 眼を開ける。 やっぱり何も見えない。 どうせ見えないのなら、と僕は――。

追追記

よく考えたらオカルトには違いないわけですよね... 嗚呼でも、ほら、全然怪しくはないですよ! ...駄目か...

追記

何処のオカルト集団だ、って思われそう... でもそんなんじゃないんですよ。 いや、マジで。

光と闇の話

天国(光の世界)も地獄(闇の世界)も存在する。 ただ其れが、人の眼には見えないだけで、 この世界とは次元の違う場所にあるだけで。 闇の世界の住人は、其の存在が人々に悟られる事を懼れる。 そのため、彼らは様々な手段で、我々を洗脳する。 光の世界も、闇…

鏡の話

何が正しいのかがわからなくなるような、 歪んだ世界で生きてきたから、 今の僕はきっと、酷く歪んでいるんだろう。 其れなのに、目の前にある鏡には 僕がきれいに映ってるんだ。 つまり、其れはつまり、 全てが歪んでしまった世界では、 鏡すらも歪むという…

死にがいの話

生きがいばかりを探すから、 見つけられずに挫折する。 「此れを成し遂げるためならば、命を捨てても惜しくない」 「其れを守るためならば、この身が果てても構わない」 「此処でなら、死んでもいい」 そう思える瞬間を探して、 何のために死ぬのかを探して…

「同じ」の話

親が見ている自分と、子が見ている自分と、友達が見ている自分と、 その他にも沢山いる、自分以外の人間が見ている自分と、 昔の自分が見ていた自分と、今の自分が見ている自分と... とにかく色々な眼が其れを見ているのだけれど、 全く同じに見えることは在…

変な話

注射器や試験管だって、花の代わりになると思う。 人によっちゃ、パンの耳だって...

ヤツの話

あ、ねえ、ちょっと今の見た? 物凄い速さで走っていったヤツ。 あれが時間? それとも、希望かな? 凄くキレイな色をしていたねぇ...

久しぶりの話

視界ががじわりと赤くなり、 血液がざああと上ってゆく。 脳が揺れる。 目を開けていられない。 けしきがまわる。ぐるり。 へたりこんだ。 久しぶりの立ちくらみ。

気持ちの話

時々、ゴムの塊を食べたような気持ちになる。 吐き出すに吐き出せず、 かと言ってそのまま腹の中に置いておくには、あまりに重過ぎる。 どうすることも出来ずに、 早く融けてくれる事を願うばかり。

本当の話

ドアが閉まり、電車が動き出した。 景色が右から左へ流れていく。 振り向くと、左から右へ流れていた。 この電車は、本当に動いているんだろうか。 足から伝わる振動なんて、再現しようと思えばできるじゃないか。 窓の外を流れていく景色だって、 本当はモ…

眠る話

眠るのは嫌いだ。 いや、嫌いなわけじゃない。怖い。 次の日にちゃんと眼が覚めるという保障は何処にもない。 それに、ほら、僕はよく寝坊するし。 だから眠れないんだろうか。 だから、起きられないんだろうか。