2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

世界の真ん中のすみっこで

何も、語りたくなくなる。僕の語ることを理解する人間なんてひとりもいないし、僕はいつだって誰かの語る言葉を理解できずにいる。それは、僕や誰かの頭が悪いからとか、理解力がないからとか、共感能力が乏しいからとか、そんなくだらない理由によるものじ…

はなし相手

あ、たいへんだ、今チョコレートがしゃべった。え? 聞こえなかったって? おい君、ひとの話はちゃんと聞くもんだよ。ほら、怒ってるじゃないか。何がってチョコレートだよ。怒ってるだろ。分からない? まったく君ってヤツは、薄情な男だな。いいかい、チョ…

ケース4:

彼は僕に謝った。彼によると、僕はひどく不快な思いをさせられて、人格攻撃と侮辱を受けていたらしい。けれど、僕はそんなことちっとも気が付いていなかったので、なんだかとてもちぐはぐな感じがした。それよりもむしろ僕の「誰に対しても同じ」スタンスの…

ケース3:

「そんなに気ぃ使わなくていいよ」と彼は言った。仲良くなりたいから、気を使われるのは嫌だ、と。「これがふつうなんです」と僕は答えた。いつもそうしているように。彼は「じゃあ敬語でしゃべるのやめてよ」と言った。僕は「敬語のほうが楽なんです」と答…

ケース2:

学友と話していたら、同じ講義で知り合った女性に「あなたのカレ、おしゃれねぇ」と言われた。「私のじゃないですけどね」と笑って答えた。彼女は私に向って「でも、いつも仲良さそうにしてるじゃない? カレなんでしょう?」と言った。「違いますよ。学科が…

ケース1:

彼は僕を褒めた。元気がよくて明るくて素直だと、褒めた。頑張り屋でまじめで、愚痴も言わずに一生懸命仕事をして、俺には真似できない、と、褒めた。そして、俺には真似できないから、という理由でいなくなった。 彼はネガティヴだけれど感情の起伏は激しく…

もういいんだ

何か言おうとして口を開いたのだけれど、その時にはもうこちら側にいた。残っているのは「もういいよ」という言葉だけ。どういう文脈で、誰が、どんなニュアンスで言ったのかは、ちっとも思いだせなかった。あちら側に置いてきてしまったのだ。こちら側の僕…