2006-11-04 解放 「もう、要らないんだ。」 声に気付いて顔を上げる。そこに立っていたのは、空を見上げている子供だった。 顔は見えないけれど、たぶん、男の子。 「大丈夫なんだ。僕は、自由になった。」 嬉しそうな声だ。きっと、嬉しそうな顔をしているだろう。 「もう、何処へだって行けるんだよ。」 その子供は、空を見上げたまま、翼を広げて飛んでいった。