言葉の話

私はただ、水でも飲むみたいに、言葉を飲んでいるだけだ。
そうして時々、その言葉が勝手に零れ落ちていく。
当たり前のことだ。器がいっぱいになれば水は溢れる。
本当にただそれだけのこと。
私は何かを伝えようともしていないのだろう。
だから、この言葉たちは、最後に自分で自分を殺してしまうのだ。
全てを焼き払って。或いは、全てを無視して。
何も無かったことにしてしまう。
でもそれは、自分で自分を片付けているだけで、そこに意味などない。
全ての意味を回収するために、言葉は言葉を追いかけている。