花の話

赤い花が咲いていました。
花は自分が嫌いでした。


小さい葉。大きい花びら。鮮やかな赤。
そして、丁度良い太さの茎。


花は言いました。


どうして私の葉は、こう小さいのかしら。
此れでは光合成に不便だわ。


どうして私の花びらは、こう大きいのかしら。
頭が重くて疲れてしまう。


どうして私はこんなにも、鮮やかな色をしているの?
目立ちすぎて不釣合いよ。


それにこの茎!
なんて在り来たりな形!!


でもその花はとても良い香り。