冬の話

寒さを感じないわけじゃない。
結局、寒いのが好きなのだと思う。


冷気が体にまとわりつく感じ。
時折吹く風が指先を切り裂いて、瞳からは涙があふれる。
呼吸のたびに、肺が冷えていく。
つまさきもピリピリと痺れだし、やがてその感覚さえも失われる...


ゆっくりと死に近づいているような錯覚。
その心地よさが、
私の魂を癒すのだろう。