嘘つきの話

あるところに、嘘つきがいました。
嘘つきは、いつも嘘ばかりついていました。
周りの人を騙してばかりいました。


嘘つきは、いつもにこにこ笑っていました。
楽しそうに笑っていました。
その笑顔も嘘でした。


嘘つきは、嘘をつくのがとても上手だったので、
誰にも嘘がばれることはありませんでした。


ある日、嘘つきは、思いました。
「僕は誰に嘘をついてるんだろう」
周りに嘘をついてるつもりで、
本当は自分を騙しているのかもしれない。


嘘つきは、なんだか不安になりました。
けれど、いつもと同じように、にこにこ笑って嘘をつきました。


だって、今までずっと自分が信じてきたことが、
全部嘘だったら、とても恐ろしい。