床の上から。

 足りない。何かが足りていない。ゆっくりと腐って、死んでいく感じがする。死が死んでいく感じ。遠のいていく、僕の死。死ねないんだ、と僕は言う。死ねないのか、と僕が言う。足りないからだ。何が? どのくらい? あとどれだけあればいい? 答えるものがいない。それとも、答えがそもそもない? 腐ってしまったものは何も語らず、何も語れず、死んでいるから。死人に口ナシ! 人かどうかもわからないけど。人であるには不足してるけど。
 ああそうか、時計の針の音がしない。でもそれはあってはいけないものだ。