続・カオスの話

 ご要望にお答えして、今日も何処からか受信中。不可解なリズムを刻め! ジャカジャン!
 そう、全てはリズムだ。文章。言葉。即ち文字の羅列。それら全てが時を刻む。バラバラに切り刻む。その音。そのリズム。それが僕らを癒しながら壊していく。確実に乗っ取っていく。そりゃそうだろ。僕らは文字を飲んでんだから。防腐剤とか保存料とか、そういうのも全部ひっくるめてさ。だから体の中に溜まってくワケ。それが僕らを蝕んでいくワケ。
 あー。そっかそっか。だから僕の吐く言葉は全て汚染されてるのね。なーるほど。納得。そしてまた僕の文字を誰かが飲む。一気飲み。いい飲みっぷり。いいノミっぷり。ピョンピョン飛び跳ねて、バッカみてぇ! ソイツも汚染されてくんだ。つまり、アンタだよ。そこでこっち見てるアンタ! 見てるでしょ。飲んでるでしょ。僕の文字をさぁ! こうやって世界は汚れていくんだねぇ。アンタは誰を汚染するの?
 あれ? 僕の文字が世界を汚してる? そうなの? キレイにしてんじゃなくて? 何で?
 だって僕は、文字を飲んでる。全部飲み込んで、キレイにするために。僕はキレイなものが好きなんだよ。ビューティフル! エクセレント! 汚いものは嫌いなんだよ。だからキレイにしてるんだ。それなのに、何で? 僕が吐き出すものは汚いの? それって何か、おかしくねぇ? キレイなものは何処にあるの? 分かんない分かんない。分かんないことだらけだよ。そんな世界は嫌い。
 嫌いなものなのに、どうして飲んじゃうんだろう。飲まなきゃいいじゃん。そう、そうだよ。飲まなきゃいい。センスィティブなんだから。でも飲まずにいられない。まるでお酒。まるでアル中。急性アルコール中毒者。お酒なんて飲んだことないけど。ってことはやっぱりアレ? アル中ってお酒嫌いなの? 嫌いなものなのに飲んじゃうの? まさか。まさかね。違うよね。世の中そんな単純じゃないよね。なんでも同じにはならないよ。色々難しいシステムなんだ。大人の世界ってムッズカシィー。
 だから僕は大人やめた。