アブソリューション

 最近やっと、自分の幅が少し広がったように思う。というのも、酒やタバコを受け入れられるようになったからだ。
 もともと潔癖でクソ真面目な性格の私は、タバコを吸うことや、酒を飲むことが大嫌いだった。タバコは単純に煙が嫌ってのもあって、年齢に関係なくできれば吸って貰いたくない。酒も、未成年だろうが成人だろうが、べろべろに酔っ払ってワケわかんねぇことを言ったりしたりする連中が居る。そこへ仲間入りするのはもちろん、そういう奴らと関わり合いになるもゴメンだった。
 今でもそこに好んで仲間入りしたいとは思わない。ただ、その言い分を、少し認められるようになったのだ。
 タバコを吸う友人は、「タバコ吸わんとやってられん」と言う。私がチョコレートを食べないとやっていられなくなるように。タバコは体に悪いからその点は歓迎できないけれど、それでも、何かを原動力に自分を動かそうとするその行為は、私と同じ。みんな、同じ。
 自分に餌を与えて、生きている。楽しさを呑んで、生きている。
 何度も教えられてきたのに、私は学ぼうとしなかった。シャッタウトして、ジ・エンド。受け入れる前に拒否してきた。だからこれからは、もっともっと受け入れてみたい。呑み込んでみたい。その後で、嫌いなものは嫌いだと、吐き出してやればいいと思う。他人が歩いてきた道を、他人が歩いている道を、私が歩きなおすことはできない。だから。その道で見たものを、学んでいくしかない。って、やっと思えるようになった。