と、××は言った。

「僕は毎晩ソファで丸くなって眠る。すると、肩やら首やら背中やらが痛くなって、足やら腕やらが痺れたりする。だから今日は、仰向けに真っ直ぐ棒のようになって寝てみようと思ったのだ。けれど。

 とてもじゃないが眠れやしなかった。僕の中に、木の棒が一本入ってるみたいな気になって、しかも、そいつがミシミシと嫌な音を立てるのだ。それで、どうしてだか神様のことを考えた。死んでしまった神様のことだ。殺したのは僕。でも神様は死んじゃいない。だって、僕は、神を殺した罪で神に裁かれることを考えている。怯えているのかもしれないし、待ち望んでいるのかもしれない。とにかく考えている。おかしな話だ。しかもそれは、僕がひとりで考えていることで、つまり、僕の神様は僕自身のように思える。しかしそんな考えはやっぱり神への冒涜だ。そう思うと、とにかくもうひたすら謝りたいような気持ちになってくるんだけれど、ほんとうは神様に謝りたいのではなくて(だって神様は僕自身のような気がするから)、もっと別の誰かにだ。

 ここまで来るともう僕の中の棒は、今にも折れそうにしなっている。だから僕は真っ直ぐ伸びていることに耐えられず、背中を丸めて足を折り畳み、何やら呻き声をあげる。にゃーお。何を言ってるんだ。早く寝よう。おやすみなさい」と、ネコは言った。