手袋が要りそう。

 12月だ。色々な人が一年を振り返って反省したり、来年に向けて身の回りを整理したり、今年中に諸々の清算を行おうとしたり、最後に集まって馬鹿騒ぎしようとしたりする。そういう人間たちの活動とは全然関係なく、12月の夜はとても冷たい。どんなに身体を丸めてもその表面を冷気がゆっくりと流れて熱を奪う。指先がピリピリと痛むし、自然と腹に力が入っている。気がつけば首筋が固まっている。体中がぎしぎしと軋む。どんどん冷たくなっていく。置いて行かれて、忘れられる。ハッピィニューイヤー! その手前。そんな風に一年が死んでいく月。